DifyをXserverVPSを活用して格安で立ち上げる方法

2024年10月24日
2024年11月02日
Shumpei Okanoue / Noviq Inc.代表
Shumpei Okanoue / Noviq Inc.代表
DifyをXserverVPSを活用して格安で立ち上げる方法

Difyが盛り上がってきていますが、SaaS版だと金額的な部分やセキュリティ部分での懸念がある方が多いかと思います。とは言っても、自社でGCPやAWSでホスティングするまでのリソースや知見がない。。。という方には、格安でホスティングができるXserverのパッケージがおすすめです。

こんな方におすすめ

  • ある程度秘匿性の高い情報をDifyを取り扱いたい人
  • SaaS版で運用が乗ってきたのでさらにアプリケーションを増やしたい人
  • エンジニアリソースや知見があまりないので手軽にホスティングしたい人

Xserverとは

日本国内で提供されているホスティングサービスの一つです。主にウェブサイトのレンタルサーバーやVPS(仮想専用サーバー)サービスを提供しており、個人や企業がウェブサイトを構築・運営するために利用されます。以下のような特徴があります。

  • 多様なプラン: Xserverは、初心者向けの共有ホスティングから、企業向けのVPS、専用サーバーまで幅広いプランを用意しています。
  • 高い稼働率: サーバーの稼働率が高く、安定したサービスを提供しています。
  • サポート体制: 専門のサポートスタッフがいて、電話やチャットでのサポートが受けられるため、技術的なトラブルがあっても安心です。
  • 簡単な管理: 管理画面が使いやすく、初心者でも簡単にウェブサイトの設定や管理ができます。
  • セキュリティ: SSL証明書の無料提供や、サーバーのセキュリティ対策がしっかりしているため、安全に運用できます。

今回使用するのは、Xserver VPSです。

Xserver VPSを申し込む

https://vps.xserver.ne.jp/

アカウント作成

Difyに対応しているのは、メモリが4GB以上のプランとなります。

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4GBプラン: 月額1,700円~

以下の表では改めて他の選択肢との比較になります。

Dify SaaS版 Dify コミュニティ版 (Xserver VPS)🔥 Dify コミュニティ版 (GCPやAWS)
構築 プラットフォーム上で即時利用可能 自分で環境を構築する必要がある 自分で環境を構築する必要がある
メンテナンス Difyが管理 ユーザーが管理・メンテナンス ユーザーが管理・メンテナンス
コスト 月額料金が発生
月額9,000円~25,000円
VPSの料金
月額1,700円~
クラウドサービスの料金(使用状況により変動)
スケーラビリティ プランに依存 制限あり(プランに依存) 高い(必要に応じてスケール可能)
サポート サポートあり 自己解決 自己解決
導入の容易さ 簡単(即時利用可能) 中程度(環境構築が必要) 難しい(インフラ構築の知識が必要)
カスタマイズ 限定的 自由度が高い 自由度が高い
セキュリティ Difyによる管理 自社管理 自社管理

新規お申し込みをクリックします。

※WebサイトなどをすでにXserverでお持ちの方は、ログインします。

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フォームに回答すると登録したメールアドレスに確認コードが送付されますので、そちらを入力します。

認証が終わると、VPSのお申し込みという画面に遷移します。

申し込み

基本情報

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サーバーの名前は任意で設定可能です。もちろん初期設定の状態でも問題ありません。

プランは先ほども触れましたが、メモリ4GB以上を選択します。大規模な組織ではない限り、4GBで十分サクサク動きます。

契約期間は、任意に選択してください。

イメージタイプを選択

まず、アプリケーションを選択します。

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アプリケーション表示後、「他のアプリケーションを表示する」をクリック。

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スクロールするとAIツールのセクションにDifyが表示されます。

Rootパスワード設定

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rootパスワードを設定します。後ほど使用しますので、手元に保管しておいてください。

SSHKey設定

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SSHKeyは「キーを作成する」を選択しておきます。

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登録方法は自動生成で、名前は任意の名前をつけておきます。

利用規約に同意し、「お申し込み内容を確認する」をクリックします。

申し込み内容の確認からお支払い

秘密鍵のダウンロード

確認画面では、以下のメッセージが表示されます:

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秘密鍵の登録が完了しました。

💡 秘密鍵は1度しかダウンロードできません。必ず記載より秘密鍵をダウンロードの上、保管お願いいたします。

「ダウンロードする」ボタンをクリックして、秘密鍵をダウンロードしてください。秘密鍵は非常に重要な情報ですので、失くさないように注意してください!

お支払いへ進む

ダウンロードが完了したら、次に進みます。

「お支払いへ進む」ボタンをクリックします。これにより、支払い手続きが開始します。

申し込み内容の確認

次の画面には、あなたの申し込み内容が表示されます。以下の情報を確認してください。

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  • サーバー名: 先ほど決めた名前
  • プラン: VPS 4GB(選択したプラン)
  • 契約期間: 1ヶ月(選択した契約期間)
  • イメージタイプ: Dify
  • rootパスワード: (セキュリティのため表示されません)
  • SSH Key: SSH Keyの名前

すべての情報が正しいことを確認してください。

お支払い方法を選択

支払い方法を選択します。クレジットカードを選択することができます。

支払い方法を選択後、「決済画面へ進む」ボタンをクリックします。

お支払い

必要な情報を入力し、支払いを完了させてください。これでXserver VPSの申し込みが完了します!

申し込み後に、XserverのVPS設定画面にアクセスします。

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即座に稼働中になる場合もあれば、少し時間を置かないと稼働中にならないこともあります。

Xserver VPSの初期設定

ドメインの取得 or 既存ドメインへの紐付け

ドメイン取得の場合

ステップ 1: ドメイン管理画面を開く

まず、Xserverの管理画面にログインすると、以下のような画面が表示されます。

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現在のドメインが表示されます。ドメインを取得していない場合、このように表示されます。

ステップ 2: 新規ドメイン取得の選択

画面上部の「新規取得」ボタンをクリックします。

新規ドメイン取得のオプションが表示される画面

この画面では、取得したいドメイン名を入力することができます。

ステップ 3: ドメイン名の入力

希望するドメイン名を入力します。次に、検索ボタンをクリックして、ドメインの空き状況を確認します。

ドメイン名を入力する画面

例えば、「hogehoge.com」と入力して検索します。

ステップ 4: 検索結果の確認

ドメイン名の検索結果が表示されます。取得可能なドメインと、既に他のユーザーによって取得されているドメインがリストアップされます。

検索結果が表示される画面

ここで、希望するドメインが取得可能かどうかを確認します。取得可能な場合はチェックボックスを選択します。

ステップ 5: ドメインの詳細設定

取得したいドメインを選択した後、登録年数を設定します。例えば、1年登録を選択します。

ドメイン登録年数を設定する画面

ステップ 6: 利用規約への同意

「利用規約」や「個人情報の取り扱いについて」に同意する必要があります。チェックボックスにチェックを入れてください。

利用規約への同意を確認する画面

ステップ 7: 支払い手続きへ進む

すべての設定が完了したら、「お申込み内容の確認とお支払いへ進む」ボタンをクリックします。

お申込み内容を確認する画面

ステップ 8: VPS管理画面にアクセス

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次に、VPS管理画面に戻り、以下の情報を確認します。

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ここには、IPアドレスやサーバー名などが表示されています。特に、IPアドレスをコピーしておきます。

ステップ 9: DNS設定の追加

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左側メニューから「DNS設定」をクリックします。

ステップ 10: ドメインの追加

「ドメインの追加」をクリックします。

ステップ 11: ドメイン名の入力

「ドメイン」に取得したドメインを入力し、「確認画面へ進む」をクリックします。

ステップ 12: 設定の追加

「設定を追加する」をクリックします。

ステップ 13: 追加したドメインの選択

追加したドメインの「選択する」をクリックします。

ステップ 14: DNSレコードの設定

「DNSレコード設定の追加」をクリックします。

  • 種別が「A」になっていることを確認し、「内容」にメモしておいたIPアドレスを入力します。
  • 「確認画面へ進む」をクリックします。

ステップ 15: 設定の追加完了

「設定を追加する」をクリックします。

ステップ 16: 設定の確認

追加完了のポップアップが表示されていれば完了です。

以上の手順で、新規ドメインを取得し、VPSのIPアドレスをDNSに設定することができます。

他社で取得した既存ドメインへの紐付け

ドメインやサブドメインの設定手順

ステップ 1: VPS管理画面を開く

まず、XserverのVPS管理画面にアクセスします。以下の情報が表示されていることを確認してください。

スクリーンショット2024-10-2419.40.35.webp

ここには、OS、アプリケーション、サーバー名、IPアドレスなどの情報が記載されています。

ステップ 2: IPアドレスをコピー

表示されているIPアドレスを確認します。以下のように、IPアドレスが表示されています:

IPアドレス: xxx.xx.x.xx

このIPアドレスをコピーします。

ステップ 3: ドメインプロバイダーの管理画面にアクセス

次に、ドメインプロバイダーの管理画面にアクセスします。例えば、SquareSpaceや他のドメインプロバイダーの管理画面を開きます。

ステップ 4: DNS設定を開く

管理画面で、DNS設定やドメイン設定のセクションを探します。通常、「DNS設定」や「DNS管理」といったオプションがあります。

ステップ 5: Aレコードの設定

  • 新しいAレコードを追加します。
  • 以下の情報を入力します:
    • ホスト名: dify(dify.example.comのようなサブドメインに作りたい場合)や@(ルートドメインの場合)を指定します。
    • : コピーしたIPアドレス(例: xxx.xx.x.xx)を入力します。
    • TTL: デフォルトのままで問題ありません。

ステップ 6: 設定の保存

設定が完了したら、「保存」や「更新」ボタンをクリックして変更を保存します。

ステップ 7: 設定の反映を確認

DNSの設定が反映されるまで、通常数時間かかります。設定が正しく行われたかどうかを確認するために、ブラウザでドメインにアクセスしてみてください。

以上の手順で、Xserver VPSのIPアドレスを既存のドメインやサブドメインに紐づけることができます。

VPSの初期設定

以下は、Difyアプリのセットアップに関するユーザーガイドです。このガイドでは、事前準備からセットアップ、管理者アカウント作成までの手順を詳しく説明します。

Difyアプリのセットアップ

事前準備

1. パケットフィルターの設定

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  • VPS管理画面にアクセス。
  • 「パケットフィルター設定」を選択します。
  • 「OFFにする」にチェックを入れ、「変更する」ボタンをクリックします。

2. ドメイン・メールアドレスの準備

Difyアプリイメージを利用する場合、以下の情報が必要です。

  • AレコードにVPSのIPアドレスが指定されたドメイン
  • 証明書取得用メールアドレス

セットアップ

1. コマンドを実行

  1. VPSに「SSH」または「コンソール」からログインします。

スクリーンショット2024-10-2419.51.41.webp

  1. 以下のコマンドを実行します。
bash
setup.sh <ドメイン> <メールアドレス>
  • <ドメイン><メールアドレス> には、事前準備で用意したものを使用します。
  • <ドメイン> の前後には半角スペースを入力してください。

2. ニュースの受け取り確認

コマンド実行中に、以下のような画面が表示されます。

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  • Let’s Encryptからの証明書更新情報やその他のニュースをメールで受け取るかの確認です。
  • 受け取る場合は「Y」、不要な場合は「N」を入力し、「Enter」キーを押してください。

3. セットアップ完了

セットアップが完了すると、下記のような画面が表示され、プロンプトが返ってきます。

man_server_app_dify_3.webp

  • これでセットアップは完了です。

Difyへアクセスする

ウェブ画面へのアクセス

Difyへは以下のURLでアクセスします。

  • Dify: https://<指定したドメイン>

管理者アカウント設定

  1. ブラウザで https://<指定したドメイン> にアクセスします。
  2. 初回アクセス時には、管理者アカウントの作成画面が表示されます。
  • 画面の項目を入力し、「セットアップ」ボタンをクリックしてください。
  1. 管理者アカウント作成後、ログイン画面に遷移します。
  • 先ほど作成した管理者アカウントの情報を入力し、「サインイン」ボタンをクリックしてください。
  1. 下記の画面が表示されたら、Difyの管理者アカウント作成は完了です。

Difyを最新バージョンへアップデートする

以下は、Difyアプリのアップデート手順に関するユーザーガイドです。このガイドでは、VPSにログインし、アップデートコマンドを実行する方法を説明します。

Difyアプリアップデートガイド

アップデート手順

1. コマンド実行

  1. VPSに「SSH」または「コンソール」からログインします。
  2. 下記のコマンドを実行してください。
bash
ssl_update.sh <ドメイン> <メールアドレス>

2. アップデート完了

コマンド実行中、下記のような画面が表示されます。

man_server_app_dify_3.webp

  • プロンプトが返ってきたら、アップデートは完了です。

注意事項

  • アップデート中は、他の操作を行わないようにしてください。
  • アップデートが完了するまで待機し、表示されたメッセージを確認してください。

まとめ

今回は、DifyをXserverで立ち上げる方法を解説しました。
次回はXserverで立ち上げたDifyにBasic認証をつける方法を解説します。
皆様の参考になれば幸いです。

弊社では、生成AI使い方がわからない、Dify使ってみたけど思うようにうまくいかない、そんな方にDifyのセットアップやワークフロー構築などの支援が可能です。ご興味をお持ちいただければ問い合わせよりお気軽にご相談お待ちしております。

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